2018年9月9日日曜日

すいません

すいません。すいません。

私は後ろを向いて
流れていく大勢の人達に向かって声をかける。
 
すいませーん。

「あ。大丈夫ですよ。」と言って
私に微かにぶつかってくれた男性は
通り過ぎて行ってしまう。


通勤帰り
隣の駅の線路から
煙が上がっている。とのことで
山手線が止まってしまっていた。

東京駅だから
ずっと向こうの地下には 
丸の内線があるから
それに乗って帰りたい。

丸の内線までの 
歩行練習しておくんだった。

このJR八重洲口からは
中央通路ずっと抜けて
地下への階段を下りて
改札をぬけて

さらに歩いて
丸の内線の改札ま
行かなければならない。

5分以上は歩かなくては辿りつけない。 親切な

人になんとか丸の内線まで
連れていってもらわなくてはならない。

すいません。と言うと
呼び止められているとは思わず
謝られていると思ってしまうようだ。

「どなたか助けて下さい。
丸の内線の方まで
連れて行ってくださる方は
いらっしゃいませんか?」

私はセリフを変えて
通路の真ん中で大声をあげた。 


「あの私、丸の内線に乗りますので
ご一緒いたしましょう。」


もの静かな女性がやっと声をかけてくださった。


すいません。と言う言葉は
ありがとうにも
ごめんなさいにも
ちょっと時間いいですか?にも
ちょっと通るからどいてください。にも
と色んな意味にとれてしまう
便利だけれど厄介な言葉だ
という事が身に染みて分かった。

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